高まる都心回帰傾向とその背景

毎年複数の不動産会社が共同で行っている調査である「住みたい街ランキング」ですが、2016年にそれまで不動のトップであった吉祥寺を恵比寿が上回ったということがちょっとしたニュースになりました。

2017年には再び吉祥寺が恵比寿を抜いて1位に返り咲きをしていますが、その他の順位変動を見てみると軒並み都心部に近い都市が順位を上げているということがわかります。

具体的には中央区、千代田区、港区といった地価の高騰しがちな都心部で、その他にも新宿区や渋谷区、豊島区の主要線路の駅周辺に住みたいという人が増加傾向にあります。

これまでは「住みたい街」の基準は、郊外で家賃が比較的安く、周辺の雰囲気が落ち着いているということが挙げられてきました。

しかし郊外地域は通勤通学のために1~2時間がかかってしまうことが多く、移動をするだけでかなりの時間を消費してしまうということが問題でした。

そこで通勤通学のための時間を大幅に短縮し交通費をおさえるために、あえて都心部に住むということを選択する人が増えているのです。

参考>>関東 住みたい街ランキング2017

都心に近い一人暮らし用の住居では、部屋あたりの面積が広くはありませんが周辺に便利なお店が多く、どこに出かけるにも交通費が少なくてすむというメリットがあります。

家族向けの広いマンションはさすがに手が出せないということもありますが、身軽な一人暮らしだからこそ多少狭くても交通の利便性の高い賃貸住宅を選ぶこともできます。

一人で生活をするからこそ周辺環境は重要

都内中心部や関西の繁華街などでは、そうしたここ近年のニーズに応えられるような単身向けアパートが多く作られています。

一人暮らしでの生活では、食事の支度や家事仕事などを全て自分で行わなくてはいけませんので、その点でも駅前中心部はたくさんのメリットがあります。

まず営業時間の長いお店が多くあるということで、仕事で帰りが遅くなってしまったときにも対応が可能です。
それと駅前は人通りが多く、夜道を歩くときの危険が少ないということも便利な点です。

女性の一人暮らしの場合は特に治安面での注意が重要になってくるので、物件を選ぶときには実際に内見をするとともに玄関や窓が侵入しやすい環境になっていないかということを調べておく必要があります。

また物件選びでかなり気にする人が多いのが収納スペースですが、家賃の高い都心部の物件では残念ながら最初から抱負なスペースは期待することができません。

ですが整理整頓やDIYなどで収納スペースはあとから作ることは十分に可能ですので、できるだけ持ち込む荷物を少なくし、身軽なスタイルで生活をしていくことを目指しましょう。